農薬についてどのくらい気にしていますか?私は不妊がきっかけで添加物や農薬を気にするようになり、ゆるくオーガニック生活を送っています。
野菜の農薬が体によくないって聞いたことがあるけど、よくわからない。
残留農薬は、国によって安全な基準が定められている一方で、長期的に摂取すると体に与える不安も大きいです。特に、小さいお子さまや妊娠中の方への影響は大きいと言われています。
この記事では、農薬や農業の安全性に関する本を参考に、残留農薬がなぜ危険と言われるのか、残留農薬を減らすためにどんな野菜を選べばいいのか、残留農薬の落とし方をわかりやすくまとめています。
- 残留農薬の少ない野菜の選び方
- 有機栽培や特別栽培の野菜を選ぶ
- 旬の野菜を選ぶ
- 国産・地元産の野菜を選ぶ
- 大きすぎる・形がきれいなものは選ばない
- 農薬散布の少ない野菜を選ぶ
- 家庭菜園で野菜をつくる
- 残留農薬の落とし方
- 野菜洗浄剤や重曹を使う
- 下ごしらえをする
この記事を読むことで、少しでも野菜の残留農薬の摂取を減らすことができるので、参考にしていただければ嬉しいです。
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残留農薬とは野菜に残った農薬
野菜や果物に使われた農薬が分解しきれずに残ってしまったものを残留農薬といいます。農薬は、野菜や果物のきれいな見た目にしたり、一定の大きさにするために栽培期間中に使われます。具体的には、病気を防ぐための殺菌剤、害虫を防ぐための殺虫剤、雑草を防ぐための除草剤などさまざまな成分の農薬があります。日本では、約800種類の残留農薬の基準値が設定されています。
残留農薬の危険性
ここでは、残留農薬が人や環境に与える影響を説明します。
日本で使用量が多い農薬は、有機リン系農薬やネオニコチノイド農薬といわれる農薬。有機リン系・ネオニコ系農薬、どちらも虫の神経にダメージを与えます。特に、ネオニコチノイド農薬は、毒性が非常に強く、人にも環境にも不安が大きい農薬です。毒性だけでなく、「浸透性がある(根、葉、茎、果実に浸透する)」「残効性が高い(野菜からなかなか取れない)」などの特徴も、ネオニコチノイド系農薬が危険な理由です。
参考
日本農薬株式会社
残留農薬の人への影響
有機リン系・ネオニコチノイド系の残留農薬が人に対して与える影響を挙げました。残留農薬だけでなく、殺虫剤や除草剤を使う場合の影響も含んでいます。
- 発達障害(ADHDや知的障害など)
- 発がん性
- 神経系の障害(アルツハイマー病など)
- 免疫系への悪影響
- ホルモンの異常
日本では、健康に害がないように、約800種類の残留農薬の基準値が設定されています。しかし、それでも以下のような理由で野菜の残留農薬は心配です。
- 胎児や小さい子どもの脳や神経は発達の途中で、神経毒性のある農薬の影響を特に受けやすい。
- 基準以下の農薬でも毎日の食事から摂取し続けていることで、体への影響もが少なからずある。
農薬の環境への影響
農薬による環境への影響で有名な出来事は、ネオニコチノイド系農薬によって、ミツバチが大量失踪したこと。
ミツバチの失踪は1990年代に、北米、ヨーロッパ、中国、日本、南米など世界各地でみられました。農作物の約35%は、ハチが受粉しているともいわれており、ミツバチが減少していくことは、食糧危機に直結する大きな問題となりました。
2013年以降から、世界では、ネオニコチノイド農薬の禁止や規制に取り組むようになりました。(EU・スイス・アメリカ・カナダ・台湾・韓国・ブラジルなど)しかし、日本は2015年から農薬の基準を緩和したり、新しい農薬を承認するなど世界と逆行した動きをしています。
日本は農薬の規制を緩和する一方で、独自で減農薬栽培に取り組む地域もあります。
新潟県佐渡市では、トキの野生復帰のために、農薬や化学肥料を減らしてお米を栽培する取り組みが2007年から行われています。それにより2020年には458羽と目標を上回るトキが野生復帰しています。
残留農薬の少ない野菜の選び方
ここでは、残留農薬の少ない野菜の選び方を6つ紹介します。残留農薬の少ない野菜を選ぶことで、少しでも摂取を減らすことができます。
- 有機栽培や特別栽培の野菜を選ぶ
- 旬の野菜を選ぶ
- 国産・地元の野菜を選ぶ
- 大きすぎる・形がきれいなものは選ばない
- 農薬散布の少ない野菜を選ぶ
- 家庭菜園で野菜をつくる
有機栽培や特別栽培の野菜を選ぶ
残留農薬の少ない野菜を選びたいなら、有機野菜や特別栽培の野菜を選ぶのがおすすめです。
「有機・有機JASマーク」や「オーガニック」の表示がある野菜は、化学肥料・農薬を使わずに栽培された野菜。さらに、国が認めた第三者機関の審査も必要となるので、野菜選びで安心できるポイントになります。
特別栽培の野菜は、一般的栽培方法に比べて、半分以下の農薬の使用量で栽培された野菜。「減農薬」「省農薬」などと表示されることもあります。ただし、特別栽培の場合、第三者機関からの認証がないので、実際にどのような農薬が使われているのかがわからない部分もあります。
身近で有機栽培や特別栽培の野菜がなかなか買えない方は、食材宅配を利用するのがおすすめですよ。私はらでぃっしゅぼーやで野菜を購入してます♩
どんな食材宅配を選んでいいかわからない方は、こちらの関連記事を参考にしてくださいね。
旬の野菜を選ぶ
2つ目の残留農薬の少ない野菜の選び方は、旬の野菜を選ぶことです。
旬の野菜は成長が早いので、その分農薬や肥料の量が少なく栽培できます。反対に、ハウスなどで育てられている季節はずれの野菜は、農薬の残留期間が長くなったり、濃度が高くなったりします。
国産・地元産の野菜を選ぶ
3つ目の残留農薬の少ない野菜の選び方は、国産や地元産の野菜を選ぶことです。
自分の住んでいる近くで育てられた野菜は、近ければ近いほど輸送時間が短いです。輸送時間が短いと、新鮮な野菜を食べることができます。反対に、海外から輸入された野菜やフルーツの場合、輸送に時間がかかるので、防腐剤・防カビ剤などの心配も増えます。
大きすぎる・形がきれいなものは選ばない
4つ目の残留農薬の少ない野菜の選び方は、大きすぎる・形がきれいなものは選ばないことです。農薬や肥料をたくさん使った野菜は、本来の大きさよりも大きく育ちすぎていたり、色や形がきれいになります。
ここでは野菜別に、肥料や農薬がすこしでも少なく育てられた野菜の特徴を紹介します。ただし、100%見極められるわけではないので、あくまでも参考程度にしてくださいね。
にんじん・たまねぎ | 大きさが小さいもの |
葉野菜(小松菜など) | 葉脈が左右対称にきれいに入っている |
イモ類(さつまいもなど) | 多少の虫食いや汚れがある |
根菜類(大根など) | 支根(横から伸びる細い根)があるもの |
キャベツ | 小さくて巻きがかたいもの。水のはじきがいいもの。 |
きゅうり | 表面のイボイボが針のような状態。 きゅうりを手で割ったときにきれいに割れるもの(水分量が多くポロッと落ちるものはダメ) |
レタス・ピーマン | 色が濃すぎるものは× |
トマト | タネがしっかり詰まっている、ヘタが上の方へそり返っている(収穫される前に熟している) |
ナス | ヘタのトゲが鋭いもの |
残留農薬の少ない野菜の見分け方についてもっと詳しく知りたい方は、「野菜は小さい方を選びなさい」という本がおすすめです。
農薬散布の少ない野菜を選ぶ
5つ目の残留農薬の少ない野菜の選び方は、農薬散布の少ない野菜を選ぶことです。ここでは、農薬量が多い野菜と少ない野菜のランキングを紹介します。
※環境作業部会(Environmental Working Group)の農薬(殺虫剤)残留量が多い野菜・果物ランキングを参考に作成されています。
残留農薬量が多い野菜は、オーガニックのものを選んだり、下ごしらえや洗浄することで、少しでも残留農薬を減らすことができますよ。
下ごしらえや洗浄方法は「野菜の落とし方」で後述しています。
家庭菜園で野菜をつくる
6つ目の残留農薬の少ない野菜の選び方は、家庭菜園で野菜をつくることです。
家庭菜園はハードルが高く感じる方も、プランターでミニトマトなど手軽に作れる野菜もあります。ただし、市販されている苗に農薬が使用されていたり、土に肥料が含まれている場合もあるので、完全無農薬の野菜を作るのは難しいですが、家庭菜園が残留農薬には一番安心できる方法です。
「野菜は小さい方を選びなさい」という本は、家庭菜園を無農薬でする方法が書かれているので、農薬を使わず家庭菜園を始めたい方におすすめの1冊です。
野菜の残留農薬の落とし方
次に、野菜の残留農薬の落とし方を2つ紹介します。
- 野菜洗浄剤や重曹で残留農薬を落とす
- 下ごしらえで残留農薬を落とす
野菜洗浄剤や重曹で残留農薬を落とす
1つ目の野菜の残留農薬を落とす方法は、重曹や野菜洗浄剤で野菜を洗うこと。水に重曹や野菜洗浄剤を溶かして、野菜を数分間おいておくだけで、表面の残留農薬やワックスを落とすことができます。
野菜洗浄剤は天然由来成分でできたものを、重曹は食用のものを選ぶようにしましょう。
\オススメの野菜洗浄剤/
- 天然素材100%、原料はホタテの貝殻のみ。
- 体にも環境にも安心。
- コスパも◎
私も使っていますが、野菜を洗浄すると汚れが浮き出るのが目で見てわかります。
\オススメの重曹/
- 国産・アルミニウムフリーの重曹。
- 野菜の洗浄以外にも料理やお菓子作り、シンク・ガス台の掃除など、幅広い用途にも使える。
下ごしらえで残留農薬を落とす
2つ目の野菜の残留農薬を落とす方法は、野菜の下ごしらえをすること。下ごしらえで、野菜の表面や表面下の農薬を除去することができます。「下ごしらえ」とは具体的に以下のようなものです。
- 皮をむぐ
- 表面に残留している農薬を落とす。
- 洗う
- 表面の残留農薬を落とす。
- 野菜を切る
- 野菜を切った面から有害物質がでることで、残留農薬を減らす。
- 水にさらす・茹でる
- アクと一緒に残留農薬などの不安な物質も取り除く。
- 板ずり(塩をまぶしてまな板の上でこすり合わせる)
- 塩の浸透圧と野菜の表面が傷つくことで、残留農薬を減らす。
次に、野菜別のおすすめの下ごしらえの方法をまとめました。
キャベツ・レタス・白菜・ネギ | 外側の葉を取り除く |
じゃがいも・にんじん・大根・かぶ | こすり洗い→皮をむく |
たまねぎ | 皮をむく |
レンコン | 流水でこすり洗い→皮をむく→酢水につける |
きゅうり・オクラ | 流水でこすり洗い→板ずり |
ピーマン | 流水でこすり洗い→切って、サッと茹でこぼす |
トマト | 流水でこすり洗い→湯むき |
なす | 流水でこすり洗い→切って水につけてアク抜き |
ブロッコリー | 小房に分けて茹でる |
ほうれん草・春菊 | 流水に5分ほど浸す→ふり洗い→茹でこぼす |
小松菜 | 1分ほど茹でる→水にさらす |
水にさらすときは、塩やお酢を入れると有害物質を引き出す力が強くなります。
知って得する農薬やオーガニックに関する豆知識
慣行栽培・特別栽培・有機栽培・無農薬栽培の違い
慣行栽培・特別栽培・有機栽培・無農薬栽培の違いは以下のとおりです。
- 慣行栽培…地域ごとに農協が指定した農薬の種類・時期・回数にそった一般的な栽培。
- 特別栽培…慣行栽培の半分以下の農薬の使用量の栽培。ただし、半分以下の回数というだけで農薬の種類や回数など地域や野菜によって異なるため詳しい情報はわからない。「減農薬」「省農薬」と表示されることもある。
- 有機栽培…有機=オーガニック。過去2年以上農薬を使用していない畑で、化学肥料・農薬を使わずに栽培する方法。さらに、国が認めた第三者機関の審査も必要となる。有機JASマークをつけて商品を販売できる。
- 無農薬栽培…農薬を使用せずに栽培する方法。ただし、第三者機関が認証しているわけではなく、基準はあいまい。さらに、「無農薬」の表示は認められていない。
輸入かんきつ類はポストハーベスト農薬に問題あり
ポストハーベストとは、「ポスト=後・ハーベスト=収穫」。つまり、ポストハーベスト農薬は、収穫後に散布される農薬のことです。レモン・グレープフルーツ・オレンジなどの輸入かんきつ類には、防カビ剤や防虫剤などの薬剤(OPP・DP・TBZなど)が収穫後に散布されています。ポストハーベストは残留性が高く、発がん性や催奇形成など危険性が非常に高いので、かんきつ類に「OPP・DP・TBZ」の表示がされている場合は、注意しましょう。
日本人は輸入野菜を意外と食べている
日本での生野菜の自給率は8割を占めているので、普段の生活で輸入野菜はあまり食べていないように感じます。しかし、日本の食糧自給率は約38%と低く、食料の半数以上を輸入から頼っています。
輸入された野菜のほとんどは、外食店や加工品に使われており、知らないうちにほとんどの日本人が輸入野菜を食べています。国内で野菜をたくさんつくっているのに、わざわざ輸入する理由は、コストダウンのため。そして、中国を中心にタイ・ベトナムなどから加工野菜が輸入されていますが、農薬などの安全性に心配があります。
農業の安全性について学べるおすすめの本7選
私が今までに読んだ農薬などの農業の安全性について学べるおすすめの本を7冊紹介します。
『食品添加物について学べる本』が知りたい方はこちらの記事へ ≫
【初心者向け】家庭でできる食品添加物・農薬を落とす方法
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「家庭でできる食品添加物・農薬を落とす方法」は、野菜や果物の残留農薬を下ごしらえで落とす方法が詳しく学べる1冊。野菜や果物は、種類ごとにわかりやすく下ごしらえの方法が書かれており、日常ですぐに試せることばかりです。野菜だけでなく、肉・魚・加工品の不安物質の落とし方も学べます。
普段の料理のちょっとしたひと手間で、野菜の残留農薬を減らしたい方にオススメです。
【初心者向け】野菜は小さい方を選びなさい
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「野菜は小さい方を選びなさい」は、どんな野菜を選んだら安全なのかが学べる1冊。本来のあるべき野菜の姿や本当においしい野菜の選び方が詳しく書かれています。「本来、野菜が育つために必要なものは何か」「有機野菜だから安心ではない」など、なかなか知らない野菜の栽培に関する深い知識も得られます。
なるべく自然に育った野菜を食べたい方や無農薬での家庭菜園に興味のある方にオススメです。
【初心者向け】ほんとうにおいしいものはお店で買えない
「ほんとうにおいしいものはお店では買えない」は、米・野菜・果物を中心に、加工品や畜産などが実際どのように作られているか詳しく書かれています。野菜には意外とたくさんの農薬が使われているなど、農について安全性から深く学べることができます。著者・手嶋奈緒さんは、自然食品宅配の大地を守る会に勤められていた経歴もあり、消費者だけでなく生産者の視点からも書かれています。
生産者の裏側や農薬・有機野菜について学びたい方にオススメの1冊。
【初心者向け】まんがで簡単にわかる! 日本人だけが知らない汚染食品
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「まんがで簡単にわかる! 日本人だけが知らない汚染食品」は、遺伝子組み換え・農薬・食品添加物などの食の安全性が幅広く学ぶことができます。マンガ8割・活字2割で構成されているので、本が苦手な方でも読みやすいです。
マンガで簡単に食の安全性を学びたい方にオススメの1冊。
【初心者向け】知らずに食べていませんか?ネオニコチノイド
「知らずに食べていませんか?ネオニコチノイド」は、農薬ネオニコチノイドについて、詳しく学べます。野菜や果物に使われているネオニコチノイドは、EU・アメリカ・韓国・中国など世界でも禁止が進むなか、日本では規制されていない危険性の高い農薬です。本の内容は小学生の教科書レベルで、ほとんどが絵や写真で構成されているので、とても読みやすいです。
ネオニコチノイド農薬についてもっと詳しく、楽しく学びたい方にオススメの1冊。
【中級者向け】食卓の危機: 遺伝子組み換え食品と農薬汚染
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「食卓の危機: 遺伝子組み換え食品と農薬汚染」は、輸入食品の遺伝子組み換えや日本の農業・農薬の安全性について学べます。農薬グリホサートやネオニコチノイドについて、詳しく書かれています。日本で食べている農作物への危機感が高まる1冊です。
日本で食べている野菜って本当に安全なの?そんな疑問をもつ方にオススメです。
【上級者向け】売り渡される食の安全
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「売り渡される食の安全」の著者・山田正彦さんは元農林水産省大臣で、この本は、政治的な角度から日本の農業について学べます。「種子法廃止でどうなったの?」「種苗法改正は何が問題?」「農業と経済活動に結びつきがあるの?」そんな疑問が解決します。農業に対する問題意識が高まる1冊です。
政治的な角度から農業の安全性について学びたい方にオススメです。
残留農薬を減らして健康な食事をとろう
残留農薬は、国によって安全な基準が定められている一方で、長期的に摂取すると体にどんな影響を与えるかわからない不安も大きいです。特に、小さいお子さまや妊娠中の方への影響は大きいと言われています。すぐに体に異常がでるものではないですが、ゆるくでも残留農薬の摂取は減らしていきたいものです。
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